「鈍感力」と言う言葉が流行りました。
ストレスになりそうな情報や出来事を溜め込まず、受け流して対応する力を指して「鈍感力」と呼ばれているようです。
そして、自分の繊細さから日常に起こる些細な出来事が辛くなってしまう人には、救いのようにも見えたかもしれません。
しかし、鈍感力を身につけようとしては見たものの、自分の性格からは上手く取り入れられなかった人もいることでしょう。
今回は、そんな「鈍感力を手に入れられなかった繊細な人」向けの記事です。
ストレス社会で鈍感力を手に入れられなかった人が、繊細なままで生きていく方法を考えていきます。
Contents
「繊細さ」を捨てたい人が持つ悩み。
「繊細」という言葉には次のような意味やニュアンスがあります。
- 細く、小さく、優美
- 細やかなである
- 感じやすく、微妙な様
- デリケート
そして、自分の繊細さに悩む人は次のようなことに悩んでいます。
- 周囲の出来事から強い不安を受けてしまう、気持ちの細さ。
- 些細な言葉や態度で傷ついてしまう感受性の高さ。
- すぐに自己嫌悪でしんどくなってしまうデリケートさ。
要するに周りの影響を受けやすく、しんどい感情が湧き上がりやすい自分の性質に悩んでいる人が多いのです。
周りからの刺激によって生まれたネガティブな感情によって、行動が取れなくなり「悩んでいるけど、環境を変える行動が取れない」という状況にも陥りがちです。
鈍感力を身につけようとする人は、自身の繊細さに嫌気がさしているので、なんとかして「繊細な自分」を捨て去ろうとします。
しかし、生まれ育って身についた性格は簡単には変えられないので挫折します。
そこで、ここでは「繊細な自分を捨てて、鈍感力を身につける」のではなく「繊細な自分のままで、繊細さを力にする技術を身につけて勝負する」という攻め方をしてみましょう、という提案をします。
それが「繊細力のすすめ」です。
繊細でいることのメリットとデメリット
「繊細さ」を使いこなして武器にしていくためにも「繊細でいること」のメリットとデメリットを考えていきましょう。
まずは、イメージしやすいデメリットから。
「繊細でいること」のデメリット
- 不安になりやすい。
- 些細な出来事でも周りからの影響を受けやすい。
- 周りの人の態度や言葉が気になってしんどくなる。
- 他人に「変だと思われないか」と気になり、言いたいことが言えない。
- ストレスや不安から行動出来なくなる。
- 自責の念を感じやすく、自己否定をしやすい。
感受性が高い分、些細な事にも気付きます。
些細な事にも気づけるからこそ、鈍感な人なら見落とすような将来への不安にも気付きます。
そして、小さな不安でも気づいてしまえば、感情を揺さぶられてしまい、しんどくなります。
では、反対に繊細さのメリットとはなんでしょうか?
「繊細でいること」のメリット
- 物事の小さな変化に気がつくことが出来る。
- 相手の感情の機微に気が付ける。
- 自分の感情が揺らぎやすい。
- 目標と現実を比べる事が自然に出来る。
- 今の自分に足りないことを探すのが得意。
- 自分の感情を意識する機会が多い。
デメリットの裏返しになります。
周囲の出来事の小さな変化に気がつくことが出来るので、積極性と掛け合わせるとチャンスを掴む力になります。
相手の感情の機微を読み取れるため、相手を不快にさせづらいのも特徴です。
適切な話題やコミュニケーションが出来るように鍛えれば、対人関係で強みになります。
感情の揺れ動きは、表現の方法さえ身につければ他人の心を揺さぶることが出来ます。
また、自分の至らなさに凹みやすいのも強みです。
自分の至らなさに凹むためには、目標の意識、周囲との比較、自分の現状の認識という三点セットが必要です。
不安傾向の高い繊細な人は、やり方の改善や精度の向上は必要ですが、基本技能として全て持っています。
あとは使い方を整えていきましょう。
繊細力がもたらす変化の力
特に、変化をしていくときに繊細さは力になります。
何故なら、目標や周囲と自分を比べて、自分が劣っている部分に気がつく力があるからです。
「自分が周囲とは違っている部分に気づける」と言い換えることもできます。
目標と自分を比較して、自分に足りない部分を細かく探すことが出来るので、メンタルケアさえ出来ていれば着実に成長することが出来きます。
周りの優れた部分と自分の劣った部分を比べて、自分を過小評価してしまうことも、使い方。変えれば謙虚なまま、行動を続けることの役に立ちます。
周囲とは自分を比較してしまう性質も、自己否定をやめることが出来れば「他人と自分を差別化する視点」に気がつくことに役立ちます。
繊細な人は細かな変化に気がつきます。
そして、他人や理想と自分を比べてしまいがちです。
一見、デメリットしかないような性質でも使い方によっては世の中を渡っていくための武器になります。
鈍感にはなれない、ならば繊細のまま勝負する。
繰り返しですが鈍感力を身につけようとして、うまくいかなかった繊細な人は、自分の繊細な部分を否定し、捨て去ろうとしていることが多いものです。
繊細な自分を「悪いもの」として、捨て去りたいと思っています。
何事にも動じない鈍感力のある人が優れて見えてしまうのです。
しかし、身についた性格はそうそう変わりません。
どんなに否定しても自分は自分です。
だからこそ、鈍感になれない自分を否定しないで、繊細なままの自分の使い道を考えることが大切です。
嫌いな自分の性質にも使い方が見つかると開き直ることが出来ます。
皮肉なことですが、繊細な自分を否定して鈍感力を求めるよりも、繊細な自分を受け入れて使い方を身につけた方が、ストレス耐性が高くなります。
周りと違う、自分は出来ない、と感じても次に打つ手を知っているからです。
鈍感力を身につけられなかった繊細なあなたへ。
一度、自分の繊細さを生かす道を探してみませんか?
以上、繊細力のすすめでした。