近頃、SNSやYouTubeで読書家アピールをする人を見かける機会が増えた気がします。
「毎日3冊の本を読みます」「毎年300冊読破する読書家です!」といった具合です。
一方で「自己啓発本はいくら読んでも意味がない」と特定のジャンルの読書を否定する人や「質の低い読書には意味がない」とする量より質派の人も一定数います。
今回の記事では読書の内容を目的ごとに分けて「より意味のある読書をするにはどうすればよいのか?」というテーマでまとめていきます。
Contents
意味のある読書とは?
そもそも「読書をする意味」とは何でしょうか?
一般的には「読書をすることによりもたらされる価値があるか」ということかと思います。
価値の有無は目的により異なります。
感情を揺さぶる小設は専門的な学問を学ぶ目的の上では価値のない本です。
反対に本の世界に没入して、登場人物の追体験を求める人にとって専門的な学術書は価値のない本です。
「読書の意味」について論じるのであれば、まずは自分が読書に何を求めているのかを明確にしておく必要があります。
読書をする目的は大きくは3つ
人が読書をする時に求めているものは大きく分けて3つあります。
知識や知見を得る
学術書を読む、成功者の伝記を読む、という読書が該当します。
読書をする時に求めているのは「知識、知見、経験」です。
知識等を得ようとする目的は様々です。
- 何かのやり方を知りたくてノウハウを知りたい。
- 自分の考えの裏付けとなる情報が欲しい。
- これから考えていくための前提知識を増やしたい。
- 好奇心から特定のものごとを深く知りたい。
このタイプでは元々の目的を満たす形で知識等を得ることが出来る読書が「意味のある読書」になります。
エンタメ目的での読書
小説や漫画、エッセイを読む、という読書が該当します。
本に求めることは、情緒のような感情の揺らぎや追体験によるストーリーへの没入感等です。
心が動く、話を楽しむという目的が達成出来るのであれば意味のある読書になります。
その他
読書の中身よりも「読書という行為」そのものに意味がある場合もあります。
- 本に意識を集中させる
- 読書量そのものをブランディングに使う
というような場合が該当します。
人は同時には多くの物事に集中出来ません。
本を読む、という行為に集中することでストレスから一時的に逃れる、という効果が期待出来ます。
また、SNS等で多く見かけますが「読書量自体をセルフブランディングに使う」という層も、読書量そのものに価値があるので「たくさんの本を読めた」と言えれば、それだけで意味があります。
読書は量?質?
良い読書家であるためには量と質のどちらに重きを置いて読書をすれば良いのでしょうか?
結論は「読書の目的による」です。
「あたりまえだろ」と思いますか?
でも、目的ごとの区別もせずに読書法を語る人は多いでしょう?
目的が異なれば適した手段が違うのは「あたりまえ」です。
そこで、目的ごとに分けながら「より意味のある、良い読書」を考えていきます。
活用を目的にする場合
「知識を身につけて、活用したい」という目的の場合は、質に重きを置いて読書すべきだと思います。
例えば「マーケティングスキルを上げたい」という目的で読書をするのであれば、書籍から実践出来る形で知識を得なければなりません。
読んで終わりではなく「どのような理屈で成り立つのか」、「具体的には何からどのように手をつけていくのか」と活用出来るレベルで具体的に理解して、噛み砕いて身につけなければなりません。
たくさんの書籍を読んで、多くの知識を身につけることも有用です。
しかし、どちらかと言えば実際の行動や思考過程を変えるだけの質を持った読書の方が重要になります。
浅い知識や思考・実践を伴わない知識では実践出来ません。
知識の収集を目的にする場合
「ある分野についての知識が欲しい」という場合は量の読書の方が大切です。
例えば、自分の意見を裏付ける資料や事例を探す場合、知見のない分野を学ぶ時に、まず知識に触れるために多くの書籍を読む、という場合です。
「知識は使わなければ意味がない」という意見もありますが「知っていたからこそ、思いつくこと」というものもあります。
深くは掘り下げずとも「広く浅く知っている」という状態を作るためには、多くの本を読むという読書スタイルはゆうよです。
エンタメ目的で読む場合
エンタメ目的で読むのであれば、基本的には質重視で良いかと思います。
極論、個人の嗜好の話なので「自分の心が動いた」「感動した」と感じられるようなら価値のある読書と言えるでしょう。
エンタメ目的での読書は個人の趣味の話なので、読書の仕方について外野がとやかく言う話でもないと思います。
より意味のある読書をするには?
「より意味のある読書」をするためのポイントは2つあります。
- 読書に求める意味を定義する。
- 求めることに合致した読書を行う。
「何を求めるか」によって、適した読書の仕方は異なります。
シンプルですが、たしかな結論です。
「自分が何を読書に求めているのか」がわからない状態では「なんとなく良い読書が出来た」という雰囲気による満足感で読書の良し悪しを判断するしかありません。
読書に意味を求めるのであれば、自分が読書に求める目的を明確にするべきです。
意味を求めない読書にも価値はある。
意味のある読書をするためには、読書に求めることを明確にするべきです。
しかし、一方で読書に求める意味を決めずに乱読する形でする読書にも意味があります。
手当たり次第に読書をすることで、自分の興味や関心かなかった分野からも応用出来る知識や知見に出会うこともあるからです。
意味を求めて「深く追求する」読書と、意味を求めず「広く、世界を拡げる」読書を使い分けることでより読書の意味を深めることができます。
読書を離れて研究として書籍を使ってみる。
「読書」というスタイルからは離れますが「研究として本を使う」というのも面白い方法です。
読書では、書籍を1冊ずつ読んでいく、というスタイルが一般的です。
特定のテーマを決めておいて該当する箇所をさまざまな書籍から抜き出していく、というスタイルも読書の質を上げてくれます。
レポートを書く際に、各項で専門書を引用・参照するようなイメージです。
「1冊の本があって、それを読む」という受身の読書ではなく「自分の考えがあり、その考えの確かはを確かめ、補強する」という攻めの読書が出来ると同じ本を読んでも捉え方がかなり変わってきます。
読書の質を高めるためにはあえて、一般的な読書スタイルから外れてみるのも良いかもしれません。
ということで、今回は場合分けしながら「良い読書」について考えてみました。
おすすめの読書法や、読書に対する意見・考え方があれば教えてください。
では、また次回。