「焦りや不安のせいでやらなければならないことが手につかなくなった」という経験はありませんか?
他にも「やらなければならなかったのに、出来ていない。絶対に怒られる」というような場面で萎縮してしまい、うまく動けなくなったりはしませんか?
そんな「嫌なことで身体が動かなくなる」という状態に対して簡単な対処法があります。
言い訳です。
「え、言い訳は悪いことじゃないの?」と思ったあなた。
要は使いようです。
今回は言い訳をうまく利用したセルフケアについてのお話です。
言い訳が悪いと言われる理由
一般論で「言い訳が悪」とされることの理由は「不適切な場面で、問題の解決につながらない観点から自分を正当化しようとしているから」というものです。
例えば、何度も同じミスをして上司から指摘を時に「だって〇〇さんがやれって言ったので」と言えば、十中八九はカミナリが落ちます。
上司は何度も同じミスをする部下に反省して再発しないような動きをしてほしいから、指導をしているのです。
責任の所在を問うているわけではありません。
このようにコミュニケーションの相手の意図にそぐわない内容で自分を正当化してしまうケースでは、言い訳は悪手です。
ついでに言えば「他人のせいすることで、今後の改善をしなくなる」という場面でも言い訳は悪です。
今後の改善の機会を失うからです。
使っても良い言い訳
「不適切な使い方の言い訳は悪い」と言いました。
しかし、実は使い方によっては良い効果をもたらす言い訳もあります。
それが「自分のストレスを和らげてくれて、行動につながる言い訳」です。
言い訳、という言葉よりも自己肯定や自己弁護という言葉の方がニュアンスは近いかもしれません。
言い訳は良くも悪くも自分を正当化してくれます。
悪く使えば、相手から不誠実に見えてしまい信頼を失います。
言い訳は「自分は悪くない」と主張しているように見えるからです。
一方で不安や焦りで萎縮してしまっている場面で上手く言い訳を使うと自分の現状を肯定することが出来ます。
仕事の依頼を受けていたのに、やっていなかった。
どうしよう、怒られる。
報告したくない、隠してしまいたい。
不安に萎縮している状態だと、こんな感じで問題を先送りにして行動が出来なくなります。
もしも、言い訳をうまく使えたらどうなるでしょう?
仕事の依頼を受けていたのに、やっていなかった。
とは言っても、他の仕事でパンクしていたし自分は必死にやった。
本来、部下を管理する立場の上司だって管理不足で同罪だ。
自分だけが悪いわけでもないし、むしろ自分はよくやっている。
これだけよくやっているんだから、これくらいは仕方がない。
ここまで言い訳を重ねて自己正当化が出来ると、開き直れるようになります。
その時は怒られようとも、問題に対処して結果的には問題を解決するような行動が取れるようになります。
どうしても自分を否定してしまったり、自分を責めてしまう時。
あとは焦りや不安、心配事で萎縮してしまって身動きが取れない時。
そんな時に言い訳を重ねて、どうにもなっていない自分の現状を肯定的に受け入れることで、問題解決につながる行動が取れるようになります。
良い言い訳の条件
良い言い訳には3つの条件があります。
- 自己肯定感を高めるものであること。
- 問題解決の行動につながること。
- 自分に対しての言い訳であること。
この3つが揃っている言い訳は良い言い訳です。
良い言い訳とは
自分自身のために、
トラブルからのダメージを減らして、
問題解決のために動ける状態を作るためにする。
というものです。
言い訳をしても気持ちがラクにならず、行動にも繋がらなけば意味がありません。
そして、あくまでも動ける自分を作るためにすゆものなので、誰かに対して自分を正当化しても意味がありません。
自分の気持ちがラクになる内容で、言い訳によって開き直れる、自分自身に対する言い訳に意味があるのです。
自己肯定という武器
「言い訳を使いこなせる」ということは「いつでも自分を肯定できる」ということです。
自分を責めてしまうような時や、自分を受け入れたくなくなる時にも自分に優しく接することが出来ます。
真面目な人が潰れる時はだいたい自己嫌悪や自己否定を伴います。
理想と比べて「自分はダメだ」「自分は迷惑をかけている」「ああやるべきだった」「こうやるべきだった」と、自分や自分の現状をどんどんと否定していった先で潰れます。
勝手に自分を否定し続けて、自信を失い、焦り、無理をして、他人の都合を優先して、いつのまにか潰れていきます。
自分のためにする良い言い訳は自分を守ってくれます。
いつでも自分を正当化して、自分の味方になれる方法です。
というわけで「自分は役立たずだ」と自分を責めがちな人は自分のための言い訳を身につけてみましょう。
少しは毎日が変わるはずです。
ではー。