どうも、うさみしんごです。
この記事は「仕事がつらくて休職しようか悩んでいる」という人向けに書いています。
「休職する」という判断は重たいですよね。
一般的には「キャリアの傷になって今後に響く」と言われます.
かといって「このまま今の仕事状況に耐えられるか?」と言われたらそれも厳しく思える人が多いのではないでしょうか?
今回の記事では休職・退職した実体験をもとにして「実際のところ休職するとその後のキャリアはどうなるのか?」というお話をしていこうと思います。
仕事のストレスで適応障害になって2ヶ月半程度休職。
その後1年は頑張ったものの、その後退職した経験があります。
私だけではなく「身の回りで休職した人たちがその後どうなったか?」という話もしていきますので参考になれば嬉しいです。
Contents
実体験からの意見
まず先に休職経験者としての意見です。
「どうにもならないところまでいっているなら、休職した方がいい」というのが個人的な意見です。
特にこんな状況になっている人は休職を検討しても良いと思います
- 何とか仕事のつらさに耐えながら働いている。
- しかし、耐えているだけでは状況が良くなる見込みがない。
- つらさの原因から逃げ出すことも出来ない。
- つらくなっていることを職場で言い出せないでいる。
- 死にたいと考え始めている。
このくらいのレベルまでいっている人は既に働きながらつらさを解消していくことが難しくなってきている人だと思います。
段階的に仕事のつらさを解消していくためにも、一時的に休職するというのはありだと思います。
休職したらどうなるの?
実際に休職するとなると、今後どんな影響が出てくるのか気になりますよね。
実際に休職して、その後転職もしている経験から次の2つの視点でお話しします。
- 「今の職場での今後にどんな影響があるのか?」
- 「今後の転職でどんな影響があるのか?」
今の職場でのキャリアには影響する?
休職すると今の職場でのキャリアには影響すると思った方がいいです。
しかし、休職したからと言ってキャリアが終わるわけではありません。
休職をすると、今の職場ではこんなことが変わる可能性が出てきます。
- 配属が変わる。
- 担当が変わる。
- 仕事の任せられ方が変わる。
- 負担のかかる役職には抜擢されづらくなる。
これらの結果として昇進しづらくなったりします。
ただ、だからと言って今の職場でのキャリアが終わるかと言えばそうでもありません。
個人の能力が高かったり、他に適切な人がいなければマネージャーになれる人もいます。
競争になった時には不利に働く可能性はありますが、経験上は休職経験があっても上に上がる人はきちんと上がっているように感じます。
また、一般社員で仕事の内容・役割が同じであれば休職したことがあってもきちんと昇級していけると思います。
影響してもらわないとむしろ困る。
「休職したことがキャリアに影響するのか?」と心配にもなりますが、視点を変えると「むしろ影響してもらわないと困る」ということも出来ます。
休職しても休職前と扱いは変わらずに
- 同じ部署に、
- 同じ仕事内容で、
- 同じ仕事の負荷で
復帰するとすれば、休職前に抱えていた問題が何も解決していないことになります。
残念ながら、数ヶ月休職したところで人間としての根本が変わるわけではありません。
休職しなければならないくらいにしんどくなる要因がそのままであれば、その後も同じように再発してしまう可能性が高くなります。
後でまとめますが、私の周りだと復帰後も休職前と同じような仕事になっている人は、結局退職してしまう率が高かったです。
私もそのひとりです。
再発を防ぐためにも働き方やキャリアには変化が起きた方が良いとも言えます。
休めば直る一時的な身体のトラブルか本当に休職期間で対策しきれているのでなければ、復帰後も同じように働こうとしない方がいいのではないでしょうか。
休職は転職に響く?
短期の休職なら転職には響かないようにすることも出来ます。
少なくとも私の場合は2〜3ヶ月の休職をしましたが、その後1年も働いたら転職には全く影響はありませんでした。
休職期間が長くなると収入が極端に落ちるので源泉徴収票や住民税の納付金額で会社にバレる子さリスクが出てきます。
しかし、裏を返せば「書類に残る休み方をしなければ転職先の企業には休職したことはわからない」とも言えます。
休職を短期間にとどめるか、休職後に1年以上働くか、というように直近の納税金額から休職していたことがわからないようにすれば休職がバレることはほぼありません。
休職前に有給、という選択肢。
後から「こうすればよかったな」という話ですが、休職前にお試しで有給を取ってみるというのはかなりアリな選択肢だと思います。
会社には、今後休職したい旨を伝えて、その上でまずは2週間程度休ませてほしいことを伝えます。
会社としても休職を前提に申し出ている社員が、2週間の有給で復帰してくれるのなら問題も小さくなるので受け入れてもらえる可能性はそれなりにあると思います。
有給期間は休職ではないので、給料が出る期間なのであとから転職先に休職がバレる心配もありません。
有給が取れたら1週間はとにかく寝て身体を休めましょう。
旅行に行ったり、地元に帰省したり現実の生活から物理的に距離をとってしまうことも有効です。
そして、頭が回るところまで体調を回復させたら「本当にこのまま仕事を続けるべきなのか?」ということを考えましょう。
このまま続けていてもいずれは潰れてしまうと感じるのであれば、転職活動を始めればいいだけです。
このやり方なら、キャリアに与える影響は最小限にして、ある程度まともな思考が出来る状態で判断が出来るようになるかと思います。
理想は休職が問題解決の手段になること
理想的な休職は「休職そのものが問題解決になる」という休み方です。
【具体的には……】
- 身体の一時的なトラブルで休めば治る。
- 休職によって会社からの扱いが変わる。
- 休職中に問題を解消できる。
「休職をする」という手段によって、休職の要因となっていた仕事のつらさそのものが解消出来る、という休み方が理想の休み方だと言えます。
例えば、休職によって会社からの扱いが変わった。
結果、メンタルが不調になった原因となっていた業務からは離れられた。
というようなイメージです。
休職の要因が無くならない限りは、どうしても再発のリスクを抱えてしまいます。
だからこそ、「休職したこと自体」が休職の要因を消し去ってくれるような休み方が理想だと言えます。
最低限、休職でつらさの解消につながるようにはする。
しかし、実際は休職をしても「休職の要因」となった仕事のつらさ自体は残ってしまうことが多いかと思います。
「休職によって仕事のつらさからは一時的に距離を置くことが出来たが、復帰したら以前と何も変わらず しんどくなってしまう」という状況に陥りがちです。
「休職したこと自体が休職の要因を解消してくれる」というところまでは行かなくても、せめて「休職したことが休職の要因の対処に繋がった」と言えるような休み方をしましょう。
休職を「ただ仕事から離れて休む期間」ではなく「つらい状況から抜け出すために順番にアクションしていく期間」として使うイメージです。
具体的には次の4つのステップで考えると対策がしやすくなります。
- 身体を休める。
- 時間を確保する。
- 自分の状況の整理する。
- 対策を実行する。
休職するところまで追いつめられている人は、まず心身ともに余力がありません。
残業続きの過労、ストレスによる不眠などによって体力も精神力も消耗しています。
それこそ、まともな思考が出来ないくらいに消耗していることもあります。
だから、まずは「身体を休めて疲労と睡眠不足で低下した思考力を取り戻すこと」に時間を使いましょう。
そして、十分に休んでまともな思考力が取り戻せたら次のステップです。
時間を確保して「今の自分の状況」と「今後の対策」を考えて実行していきましょう。
働きながらでも、一線を超えないようにセルフケアを行った方が良いことは間違いありません。
しかし、休職まで行ってしまった人はその余裕が作れていなかったのではないでしょうか?
仕事の忙しさとストレスで、日常生活に余白になるような時間が作れていなかったのではないかと思います。
そこで、休職中に出来た時間で次の内容を整理してみて欲しいのです。
- 自分は何がつらくで休職することになったのか?
- その要因のどこがつらかったのか?
- どんな捉え方をして辛くなっていたのか?
- その捉え方は適切だったのか?
- そもそも休職するまでつらくなる必要があったものなのか?
- どのタイミングで、何をしたら、再発を防げるのか?
私にも当てはまったのですが、休職するまで追い詰められてしまう人は「物事の捉え方にも余裕がなくなっている」というケースが少なくはありません。
それでいて「自分が偏った捉え方をしている」という事実には気が付くことが出来ません。
結果として「本来はしんどくなる必要のないことなのに歪んだ捉え方をしてしまって辛くなる」と言うこともよく起ります。
「自分の考え方」「受け取り方」と向き合って対処していくためには、不安の少ない環境で多くの時間を確保する必要があります。
そのような時間は休職しないと作ることが出来ません。
せっかく休職したのであれば、生まれた時間も有効活用していきましょう。
休職した人はその後、どうなった?
休職した後の人はその後どうなるのでしょうか?
独立行政法人労働政策研究・研修機構の2012年の調査ではメンタルヘルス不調で休職した人の40%以上が、その後退職したという結果が出ています。
私の周りでは休職経験者7人中5人は、後に退職しています。
【内訳】
- メンタルヘルスの休職者
6人中5人が後に退職 - 過労による休職者
1人中1人が仕事を継続
という感じです。
特にメンタル系の理由で休職した人は、結局退職してしまいやすいように思います。
見ていると、その多くは「復職後も休職前と近い環境に戻されて辞めていく」というケースでした。
どうにもならない人は休職してもいい
最後にこの記事のまとめです。
実際に適応障害で休職した経験があって、身の回りで何人もの休職者を見てきた上での意見です。
「休職せざるを得ない人は休職してもいい」
命との天秤になるくらいなら、とりあえずで休んだらいいじゃないですか。
実際に休職したことがある立場としては、こんな風に思います。
- 短期間の休職なら転職には大きく影響しない。
- だから休職が短期間で済むうちに休職すべき。
- 休職から復帰しても退職する率は高い。
- でも、今後の転職が不利にならないやり方で休職することは出来る。
- 耐えるだけだと本当に取り返しのつかないことになる可能性もある。
休職をするのであれば休職期間中に今後再発しないような準備を整えることが必要です。
それさえ出来れば、休職後の影響を最小化することが出来ます。
私自身2ヶ月以上、3ヶ月未満という期間の休職をしています。
その後1年と少し仕事を続けてから転職しましたが何の支障もありませんでした。
その経験から意見を言えば後のことが気になったとしても「転職で傷が浅くなる程度の期間は休職してもOK」だと思います。
私も一時期は死んでしまおうと本気で考えるくらい参ってはいましたが、どんなにキツイ仕事も辞めてしまえばそれまでです。
上司や客が退職後のあなたを追いかけてくるわけでもありません。
というわけで「仕事のストレスでどうにもならなくっている人はつらい現状を立て直すために休職しても良い」というのが、今回の記事の意見でした。
ではー。