タイトルを見て「何言ってんだ、コイツ」と、思いませんでしたか?
字面で見ると、何言ってるんだ感がしますが、割と大切な話です。
自責で自分を追い詰める、自己否定で自分を押し潰す、という人には特に聞いてほしいお話です。
「あるべき自分、なんてものは現実に存在していないんですよ」というのが今回のお話です。
メンタルが弱い人の思考
メンタルが弱い、というよりも自己否定が強い人や自責の感覚が強い人、と言った方がより正確です。
「自分は出来ていない!」
「何でダメなやつだ……」
「これじゃあ怒られる」
こういうことを考えやすい人の思考には、とある癖があることが割とあります。
それが「あるべき思考」です。
本来は○○であるべき。
しかし、自分はそのように出来ていない。
だから、自分はダメなやつだ。
こんな感じで考えてしまう人が結構います。
私もそのひとりです。
「あるべき思考」がかなり強いので、できないかもしれない場面ではプレッシャーに潰されます。
あるべき姿でいられないことに対しての自己否定と自責の感覚が強く、対策なしだと動作停止するくらいダメージを受けます。
自分があるべき思考型の人間で対策をかなりして生活をしているので、同じようなタイプの人には伝えたい事があります。
「あるべき姿の自分は、現時点では存在しない幻です。」
これは自己否定対策をするには大きなポイントです。
どういうこと?
本来はあるべき、でも、現実ではできていない。
だから自己否定や自責をする。
これがメンタルが弱い人の考え方だ、というお話しました。
そう。
現実では本人が「あるべき」と思っているアクションを出来る自分は、まだいないんですよ。
あるべき、というのは自分の現状と理想や目標、周囲の期待から生まれる幻です。
現実に存在しているわけでもなく、ヘタをすると実現不可能なものまで含んだビジョンであることさえあります。
入社1年目で経験もないけど、顧客の問い合わせにはすべて完璧に対応して、営業活動でも勝率100%で、見込みも外さず、社内外コミュニケーションも完璧。
こんな人がどれくらいいるでしょうか?
ほとんどいないはずです。
しかし、一個一個を抜き出すと
- 対応は漏れなくしっかりと行うこと。
- 営業目標は必達する。
- 見込みの精度は高くする。
- コミュニケーション能力は高く。
と、そんなに特別なことも言っていません。
しかし、すべてを満たすことを求めると途端にハードルが激上がりします。
こんな感じで、あるべき像というのは今の自分とは乖離して実現出来るかも怪しいものまで含んだ幻なんです。
そんな幻と自分の現状を比べて凹んでいる人が自責の強い人や自己否定の強い人の中にはいるのです。
とりあえず、ここにひとりいます。
私です。
「あるべき」という名の現実逃避
「あるべき像」と自分の現状を比べて、あるべき姿ではないから自己否定をする。
現実と向き合えているようで、実は向き合えていません。
何回も言いますが、あるべき姿は幻です。
「理想の自分」というのは想像の中だけの存在で、現実にはどこを探してもいません。
そんな理想の自分に執着して、自分の現状を否定してしまうのはただの現実逃避です。
本当に現実と向き合おうとするのなら、執着すべきは理想の自分ではなく、現状を引き上げることです。
理想と比べて、出来ない自分であろうと、それが今の自分です。
そんな出来ない自分から次、何をできるようになっていくかを考えていくしかないのです。
目標や理想だけを見て、現状との差に凹み、行動が取れなくてなる、というのは愚の骨頂です。
厳しいことを言いますけれども。
真に言いたいこと。
厳しいことも言いましたが、本当に言いたいことは「幻のせいで自分を痛めつけたら損じゃない?」というお話なんです。
どうあがいても突然、理想の自分になれるわけではありません。
少しずつでも失敗しながら積み重ねた先で、届くかどうか、なんですよ。
だから、行動に繋がらない比較はする必要がないと思うんです。
行動の妨げになる自己否定なんて、無価値でしんどいだけです。
そんな感情に潰れることって、馬鹿らしいとは思いませんか?
私はそう思います。
実際「こういう問答を続けて自分の現状を受け入れて、現在地から取り組み始める」というスタンスになれたので、自己否定がしんどい人はやってみてもいい考え方かもしれません。