新卒就活に臨む就活生のみなさん。
「企業選び」は上手くいっていますか?
今回の記事は転職経験のある社会人目線で「新卒での就職活動における企業選び」をテーマにお話しします。
お伝えしたいことはズバリ。
「失敗しない企業選びの方法」です。
転職活動の経験も含めて社会に出てからの経験を総動員して。
「今の自分が就活生に戻ったら、こうやって応募する企業を選ぶ」という目線でまとめています。
「どうやって応募先の企業を選べばいいのかわからない!」という方にはヒントになるかと思います。
Contents
結論:ピンポイントで選びに行かない
応募する企業選びに悩む就活生に伝えたい一番のポイントは「ピンポイントの企業選びをしない」ということです。
自分にピッタリな1社を探すのではなく「この範囲の条件に収まっていればOK」と幅を持って志望先の企業を絞り込んでいきましょう。
図であらわすと、こんな感じです。
私の就職活動を振りかえっての反省でもあるのですが。
学生の頃は社会のことがよくわからない分、「場当たり的」に選考を受けてしまいがちです。
「理由があって選考を受ける」のではなく「目の前にちょうどいい求人が来たから」選考を受けるのです。
結果、こんな風に全く違う特徴の企業を受けてしまいます。
「収入だけ」「仕事のゆるさだけ」で飛びつくとこうなります。
社会に出て痛感しましたが学生の頃の社会人像と実際の社会人像は良くも悪くも異なります。
素晴らしく見えていた仕事には泥臭い部分があったり。
絶対に避けたかった仕事に求めていたやりがいがあったり。
学生の頃の理想像は「精度が低い」のです。
だから「欲しい理想」を狙って企業を選ぶよりも「これだけは嫌だ」というポイントを外しながら幅を持って選考を受けていくことをオススメします。
意図的に振れ幅を作ったり、毛色の違う企業を受けることはもちろんOKです。
ただ、目に触れる求人の内容に流されて企業を選ぶことはやめて欲しいのです。
求人情報ではなく自分が主導権を持って企業選びをしましょう。
幅を持って選考を受けていく中で「これだ」という企業に絞り込んでいけば良いのです。
応募企業をふるいにかける。
応募先の企業が絞れたら「失敗する就職先」を候補から取り除きましょう。
ここで気にするポイントは大きく二つです。
続けていけない企業を取り除く
自己分析をして「絶対に続けていけない」と言い切れる企業は応募先から除きましょう。
例えば「心理的な負荷があまりに大きい仕事」や「待遇面で必須の条件がない」企業などです。
通院が必要なレベルで人間関係に強いストレスを感じる人は、人間関係を重視する仕事を避けた方が無難です。
地元で両親の世話をしながら働きたい人は全国転勤のある仕事を選ばない方が良いでしょう。
そんなイメージです。
ただし、ここで取り除く「続けていけない企業」というのは「絶対に続けられない」と言い切れるレベルの大きなミスマッチを含む企業だけです。
そして「一般的にどうか」ではなく「自分にとって続けていけるか」という基準で考えてください。
ただし「少し人見知りだから営業職は無理」というような決めつけはしない方が良いです。
社会に出ると感じますが「職種は同じでもやり方は無数にある」のです。
実際に私は就職活動時代に「口下手で内向的だから営業職は無理」と決めつけていました。
しかし、営業職でキャリアを積んでステップアップしています。
コミュニケーションが苦手でも顧客分析と戦略を重視する、など他の戦い方でも生きていけます。
思い込みで選択肢を安易に切り捨てない様に気を付けましょう。
続けていくことがリスクにならない企業を選ぶ
「続けることがリスクになる企業」への就職も避けましょう。
会社とのマッチングでは「働き続けることはできる」ものの「働き続けることがキャリアのリスクになる」というものがあります。
例えば「斜陽産業で言われた通りにエクセルに転記作業を繰り返すだけの薄給な仕事」はどうでしょう?
職場の人間関係が良くて、仕事のストレスが無かったとしても数年すれば自分の市場価値は低い状態になります。
会社が傾いた時や収入に不満が出ても転職することが難しくなります。
例は極端なものですが、会社の将来性や積み上げられる業務経験によって「居続けること自体が自分にとっての大きなリスク」になる企業も存在することに注意しましょう。
自己分析は徹底的に。
「自己分析」は就職活動での必須科目、と言っても過言ではないでしょう。
しかし、多くの就活生は「自己PRのため」だけに自己分析を行います。
「アピールポイントを探すため」だけの自己分析しかしない就活生が非常に多いのです。
転職経験のある社会人視点でお話すると自己分析は「志望先企業を選ぶ条件出し」のためにも使って欲しいのです。
先に「失敗する就職先の候補」としてあげた「続けていけない企業」を割り出すためには自分の特徴を知る必要があります。
「何ができるのか」だけではなく「何ができないのか」「何に苦痛を感じるのか」を理解しなければ「自分と相性の悪い企業」は見抜くことができません。
得意も苦手も全部まとめて「自分自身」を知らずに「自分に合った企業」を探すことはもできません。
「自己分析」だけはどんなにやってもやり過ぎるということがないので「アピールポイントを探す」以外の視点でも徹底的にやっておきましょう。
【考えておいた方が良いポイント 】
- 他人よりも圧倒的に苦手なこと
- 長期間続けられないくらいに苦痛を感じること
- 比較的に苦労せずにできること
感性で深堀りして企業を選ぶ
ここまでは「失敗する就職先を取り除く」方向で応募企業を絞り込む方法を解説しました。
そして「失敗する就職先」を取り除きながらもやって欲しいことが「感情を掘り下げながら企業を探す」ということです。
感情と感情の対象を掘り下げる
就職活動を続けていくと企業説明会や選考中に、心が躍る様な興奮を感じることがあります。
「ワクワク」と感情が動くことがあるのです。
反対に不安など、好ましくない感情を感じることもあります。
就職活動中は「自分の感情の揺らぎ」に注意してみて下さい。
そして「何に対して感情が動いたのか」という「感情を動かした対象」をできる限り特定してください。
心が躍るように動くことは「興味があること」である場合が多いです。
自分がどんなことに心が動き、興奮し、ワクワクするのかを把握できれば「就職後も充実する仕事」を探すために役立ちます。
反対に「嫌だな」とか「どうしよう」と感じる不安要素を特定して排除していけば、就職後の悩みが少ない企業選びにも役立ちます。
おまけ:私が就職活動で失敗したポイント
おまけとして「私が就職活動で失敗したポイント」にも触れておきます。
少なくともここに実際に失敗した人間がいるので、みなさんは気を付けて下さいね。
就職活動の開始時期が遅かった
私が就職活動をした13卒の就活スケジュールはこんな感じでした。
- 3年の12月:就活サイトオープン
- 4年の1月~:企業説明会開始
- 4年の4月~:採用開始
- 10月初旬:多くの企業で内定式
私の場合は元々進学予定でしたが、諸事情あって7月に急遽、就職活動を始めました。
当たり前ですが既に募集を終えている企業も多くありました。
募集中の企業の選考でも就職活動の経験値に差があるので、やはり不利に働きます。
「就職開始時期が遅かった」というだけの理由で将来の選択肢の幅に雲泥の差が出るので、出遅れないように就職活動のスケジュールを確認しておくことをオススメします。
企業を知らなかった
2つ目の失敗ポイントが「世の中にある企業を知らなかった」ことです。
新卒で入社した業界で比較的有名な企業としては キーエンス、オムロン、SMC、三菱電機、ファナックなどがあります。
どの会社も資本金数百億円で大きなシェアのある製品を持つ大手企業ではあるのですが、就職活動をしていた私はエントリーすらできていません。
知らなかった企業がたくさんありました。
また、存在を知らなかった企業だけではなく「知っていても就職活動での志望先として認識できていなかった企業」も加えると相当な数がありました。
CMをバンバン打っている超有名企業など「名前は知っている」のに「求人を探そう」と思いつくことができなかった企業がかなりの数ありました。
入社できる企業は「選考に応募した企業」の中のどこかです。
そして「応募先として認識できなかった企業」には入社どころか、応募さえ出来ません。
「自分が入社できるかもしれない」という視点で、先入観なく広く企業を知っていくことは可能性を広げるためにもとても大切なことです。
関連書籍
就職四季報2022年版
「会社四季報」業界地図 2021年版
就職活動の鉄板です。
各業界の大手企業を網羅的に把握できるので眺めるくらいはしておきましょう。
買わなくても大学の就職課に置いてあるはず。
おまけ
こんなのもあります。
健康経営優良法人認定(ホワイト500)
健康経営優良法人認定制度とは、地域の健康課題に即した取組や日本健康会議が進める健康増進の取組をもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。
経済産業省_健康経営優良法人認定制度より引用
↑引用元に認定企業の一覧もあります。
ノーヒントで企業探しをしても迷子になってしまいます。
世の中にはホワイト500のような認定制度、団体、各種企業のランキングなどがあるので、企業探しのヒントになるかもしれません。
自分に合うかは別問題ですが、少なくとも地雷になるような企業は回避しやすくなると思います。
まとめ
最後にあえて言い切ります。
「新卒で行う就職活動は難しいものです」
転職を2回していますが、新卒就活が難しいことは断言します。
転職ならば社会人経験や業界知識がある程度あります。
だから転職先に「アタリをつける」こともできます。
しかし、新卒で行う就職活動は社会人経験もなく、期間制限もあります。
就職留年・就職浪人を除けば就職活動のチャンスは1度だけです。
就職活動の期間内に内定獲得ができなければ、無職のまま社会に放り出されてしまいます。
ただでさえ経験がなくて勝手がわからないのに、期間制限の不安と戦いながら臨まなければならないのです。
手探りだから多くの就活生に企業選びを間違える可能性があります。
新卒での企業選びは難しい。
だからこそ、闇雲に臨むのではなく戦略を持って臨むことが必要なのです。
では、良い就職活動を。
関連書籍
このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む転職の思考法
新卒向けの記事ですが、転職書籍で評価の高い一冊をあえてオススメしておきます。
新卒で入社して5~6年後に転職を考える人はどのようなことを考えているのでしょうか?
転職を考える理由には「就職活動で考慮すべきポイント」が多くあります。
流し読みでも良いので、就職活動で読んでも価値ある一冊です。