今回はちょっと壮大な話をします。
「人と違う」を受け入れるための進化論、が今回のテーマです。
要するに生命の進化から「他人と自分の違い」を考えてみよう、という内容です。
■こんな人向けの記事です。
- 他人と同じようにできないことが悩み。
- 自分は周りからズレている気がしてつらい。
勇気をくれる進化論
今回、取り上げたい進化についての説
小難しいことは省略して超大雑把に書きます。
- 生き物は突然変異する
- 突然変異は環境に有利に働くものだけではない
- 環境に対して有利にも不利にもならない突然変異が大半
- 後に環境が変わった時に、変わった環境に有利な個体が生き残る
【超わかりやすい参考動画】
【へんないきものチャンネル様】
【ゆっくり解説】実は間違い!生物の「進化」のイメージの誤解と真実
細かく知りたい人はダーウィンの「自然選択説」を参照してくださいませ。
進化論のお話だと「キリンは高いところの餌が食べたくて首を伸ばした」の様に「生き物は目的に沿って進化していった」というイメージがある方も多いのではないでしょうか?
しかし、今のところ有力な説は「目的を持って進化していった」というよりも「進化は偶然の積み重ね」というものです。
「色々な方向に突然変異をして後に環境に合った個体が生き残る」という考え方です。
要するに生き残るために「有利になる」進化だけではなく、不利になるような進化もする。
更に言えば「有利にも不利にもならない」進化もする。
そして環境によって淘汰されていく、というお話です。
環境ってめちゃくちゃ大切です……。
人間にも言えること
生物の進化まで持ち出して言いたいことは「人間もそれぞれが違った個性を持っていて当たり前ではないか?」ということです。
繊細な方に特に多いかと思いますが「他人との違い」について悩んだことはないでしょうか?
私はあります。
「感性や性格が他人と違うこと」や「他人が苦も無く出来る事が自分にはしんどく感じること」について悩んだりしました。
しかし。人間も生き物です。
「『種』として生き残るために『多様な個性』があるのは当たり前の事ではないか?」と私は思うのです。
身体というハードの面だけではなく、内面というソフトの面からも。
より様々な環境で「種」として生き残るために、皆が違っているのではないか、と。
「他人と違う」と悩むような特徴も「使い道」がある環境があるのではないか、と思うのですよ。
社会の変化も「環境の変化」
生き物には「環境の変化に対応するため」に「多様性がある」という話をしました。
人間は社会性を武器に生き延びてきた生き物なので「社会の変化」も「生き延びるために適用すべき環境の変化」と言ってもいいかと思います。
社会や集団の力で生存競争に勝ち抜いてきた生き物として、より発展していくためには変わりゆく「社会の在り方」にも対応していかなければなりません。
社会活動の変化においては肉体的なハード面よりも「考え方」や「精神活動」のようなソフト面の影響が強くなる。
マイノリティや多様性の尊重が叫ばれる昨今ですが。
「社会の変化に適応した個体」を生み出すために「精神面」で多様化していく、と考えると割としっくりと来るんですよね。
人間の生存に「より有利に働く」集団の在り方は変化していくから、正解となるような個性も移り変わる。
人間という種の存続のためには「どのような関わり合いで社会を形成すればいいか」は手探りだからこそ「個性には意味がある」
自分が悩む「他人との違い」も「人間という種」全体から見ればきちんと意味があることなのではないかと思うのです。
環境を見直す必要性
「自分のいる環境」を軽視しない
「生き物は変化する環境に対応しながら生き延びるために変化を重ねる」というお話をしてきました。
恐竜のように強くて繁栄した生き物でも「環境が合わなければ」滅びます。
ネズミのように小さく、力の弱い生き物でも「環境に適合できたから」生き延びています。
当たり前の話ですが「自分に合わない環境」にいれば淘汰されてしまいます。
人間も同じで「合わない環境」ではうまく生きていけません。
人生に感じるつらさも「自分の性質が今の環境と合っていないから」という観点から説明できることが多いのです。
環境を原因とする「適応障害」などの疾患があるくらいに「自分が適応した環境にいること」は重要です。
人間の場合は野生動物と比べると、自ら環境を選択することができます。
極端な話をすれば「環境は生き死にに関わる問題」だからこそ「自分がどのような環境にいるのか?」を軽視せずに考えて欲しいのです。
あと、ブラック企業や社畜生活を経験している身から言うと「環境を変えるだけ」で成果が出る事は十二分にあり得る話です。
「自分の特徴が有利に働く環境」に身を置くとストレスも減るし、無理なく成果が出せるようになります。
まとめ
- 生き物は「環境の変化」に対応するため多様化する。
- 人間も生き物なので個人個人で違うのは当たり前。
- 多様化した個体達の中で「環境に適合した個体」が生存する。
- 人は自ら「自分に適した環境」を選べる。
- 自分に適した環境に身を置くことで有利に生きていける。
はい。
今回は「生き物の進化」という壮大な観点から「他人との違いを受け入れる」というお話をしてみました。
持論ですが「人と同じになれない」のは当たり前だし、それでいいのではないでしょうか?
得手不得手が違う人が集まるからこそ補いあえるし、柔軟性が生まれると思います。
時代によって正解なんてコロコロと変わりますし。
生き方に不変的な「正解」なんてものがないことは歴史が証明しているとも思います。
同じ性質でも状況が変われば正にも誤にもなりえる。
見方や立場を変えるだけで正解、不正解は変わります。
一方で「他人と同じようにできない」という感覚がめちゃくちゃ苦しいのもわかります。
だからこそ繰り返し言いたいのです。
「生き物の性質レベルで他者と違うのは当たり前のこと」です。
「他者との違い」は種が「あらゆる環境で生き残るための戦略」なのですから。
周りと違うことがしんどい、という人も「絶対的に自分が悪い」ということはないと思います。
「今の自分が、今いる環境に少しだけ合っていないだけ」なのかもしれません。
思い詰めたら、少しだけ視野を広げてみて欲しいなー、と私は思います。
おまけ
今回、動画をお借りした「へんないきものチャンネル」様がかなりお気に入りなので何本かオススメ動画などを貼っておきます。
自分の分野と違う知識って、思いがけず視野を広げてくれたり発想のネタになってくれるので大切だと思っています。
【ゆっくり解説】8ミリの悪魔!ウリミバエ根絶70年の物語~人類VSハエ~(前編)
「農作物を壊滅させるレベルの影響を持つハエ VS 日本での繁殖を瀬戸際で食い止めた人達」のお話。
「使命を持った熱い仕事」というのが大好きです。
【ゆっくり解説】手洗いの生みの親!センメルヴェイスの苦悩(前編)【いきもの偉人#4】
コロナ禍だからこそ観て欲しい「手洗いが普及するまでの歴史」について。
「手洗いによって死亡率が下がる」というデータも結果も出しているのに受け入れられなかった医師のお話。
本人の境遇を考えると……。
本も出ています。
ということで、今回は終わります。
また次回!