今回は「自己否定や自己嫌悪で毎日がつらい」という人向けのお話です。
テーマは「自分の使いこなし方」です。
「自分との付き合い方」とも言えるかもしれません。
終わりのない自己否定や自己嫌悪はつらいですよね。
私自身、社畜時代に心身ともにズタボロにして働いていたのでよくわかります。
当時を振り返ってみると毎日、自己否定の言葉が頭の中をグルグルと回り続けていました。
- 「周りは〇〇できるのに、自分にはできない」
- 「給料をもらっているんだ。〇〇でなければならない」
- 「あるべき姿でなければ、自分が存在することは許されない」
特に場を盛り上げる事が出いないことを気にして、営業ノルマは達成していたのに「自分は役立たずだ」とか「自分は職場に不要な社員」とばかり考えていました。
社歴が長い先輩と自分の目標額を比べて「自分は評価されていないから目標金額も低いんだ」と本気で悩んでいました。
「こんな自分は周りに迷惑しかかけていない。存在してはいけない」とまで考えていました。
毎日、トイレで吐いて。
夜は空のバスタブやクローゼットに引きこもって朝まで泣いて。
遺書まで書いたこともありました。
医者に行かなかったのですが、言っていたら何かしらの診断が出ていたかもしれません。
それでも、今は立ち直れていますし日常生活も不自由なく送れています。
キャリアもホワイト大企業に転職することができました。
冒頭から重たい話をしましたが。
「めちゃくちゃしんどい状態」から立ち直れたきっかけでもあるので、お話したいなー と思います。
自分を使いこなすとは?
「自分を使いこなす」というのは「自分の性質や特徴に合わせて環境を選んだり、行動をする」という考え方です。
要素に分けて説明すると
- 自分の性質や特徴をありのままに認識する
- 自分の性質や特徴を評価しない
- 客観的な事実から向き不向きを検討する
- 自分に向いていることで戦う
- 自分に不向きなことは極力排除する
- 不向きなことがあることを認める
という6つを満たすことが「自分を使いこなす」ということです。
よく「強みと弱みは表裏一体」とか「弱みなんてない」という話が出てくる自己啓発本等がありますが。
個人的には「強みと弱みは環境が決める」という言い回しがしっくりときます。
例えばスティーブ・ジョブズみたいな人をルーティン中心の事務職として評価したらどうなるでしょうか?
かなり悲惨なことになるでしょう。
人にはそれごれに「特徴」や「性質」があります。
ほとんどの特徴や性質自体に良し悪しはありません。
使い方によって良し悪しが出てくるだけです。
だからこそ客観的に自分の特徴を認識して強みとして活かせる方法や環境を持っていれば成果につながります。
【具体例】私の場合
内容が抽象的なので私のやり方を例にしてみます。
■特徴・性質(性格)
- 内向的
- 不安傾向が高めで臆病
- ひたすらに打ち込むのは得意
- 継続的な人間関係が苦手
- 接待は超絶苦手
- 相手からの印象は「丁寧・優しい」
他人からのよくある印象は「真面目」「おとなしい」「落ち着いている」
典型的な内向的タイプです。
こんな性格で営業をしていたのでコミュニケーションに悩んでボロボロになったこともあります。
にも関わらず、今も営業系の仕事をしています。
しかも、実績を作って転職で評価を受けて大企業総合職に転職できました。
私がやってきた「自分の使い方」は「新規開拓」です。
新規開拓だと付き合いがないところからのスタートなので接待等のコテコテな付き合いをしなくて済みます。
要するに「自分が極端に苦手」な部分を使わずにできる仕事でした。
そして、転職市場では評価されやすい項目でもあります。
特徴ごとに使い方を見ていくと
内向的、ひたすらに打ち込むのは得意
→使い方:客観視できる指標を使えば改善に打ち込み続けられる。
やったこと:自分の言動、態度で「どれだけ数字が変わるのか?」をひたすらに試すことに注力する。
コミュニケーションが苦手なのでコミュニケーションの「手法」や「営業のアプローチ」を突き詰めることに意識を向けました。
自分の言い方や態度、身振りによって「どれだけ営業の数字に影響があるのか?」を徹底的に試しました。
営業の数字の例としては売上だけではなく「新規営業で担当者までつないで貰える率」や「商談の発生率」「他の担当者を紹介してもらえる率」など。
口調だけではなく、一回の会話の時間、扱う話題。
表情、声の高さ、間の長さ、目線の位置 等々……。
それなりの項目でテストを行いました。
続けているうちに営業相手に断られようが、怒られようが自分の中では「たかが1つのサンプル」と捉えられるようになっていきました。
内向的な性格は自分の内側に意識が向きやすい性格です。
動作や言動を分析して行動にフィードバックする時には強力な武器になります。
不安傾向が高めで臆病
→使い方:「相手を見る」ことができる
コミュニケーションを学ぶと人間は「意外と相手のことを見ていない」ということがわかります。
人は「自分が話を聞いてもらえている」という状況に舞い上がる生き物です。
更には「理解されたい」と思うし「尊重されたい、重要だと思われたい」と感じる生き物です。
だからこそ、営業の場において自分が気持ち良くなって「話過ぎてしまうから」成果が出ない営業マンもたくさんいます。
相手に嫌われることを不安に感じて、会話に臆病になるからこそ。
相手に優先的に話させて良い気分にさせることができます。
相手の表情や声色を窺うこともできます。
質問の仕方とタイミングを学べば自分から話さずとも相手が勝手に話してくれます。
大事な部分を聞き出して、相手を尊重しながら提案すれば頭ごなしに否定されることはまずありません。
長くなりましたが「内向的で不安症」という特徴をフル活用したからこそ、営業でやってくることができたと思っています。
一生付き合うのが「自分」
私が「自分をつかいこなす」ことをおすすめする理由は「自分とは一生の付き合いになるから」です。
「何を当たり前のことを」と感じるかもしれませんが、自己否定を繰り返す人は意外と意識できていないことではないかと思います。
私自身、意識できていませんでした。
例えば、生涯を誓ったパートナーがいたとします。
結婚してみると四六時中、あなたの一挙手一投足を人格否定も含めて罵詈雑言で否定してくる相手だったとしたら、どうでしょう?
耐えられなくなってお別れするでしょう。
しかし、自分とは死ぬまでお別れ出来ません。
ずーっと付き合う人間です。
人生で一番長い付き合いになる人間は自分自身です、
ならばこそ。
一生付き合う自分自身を否定しないであげて欲しいんです。
一生付き合う人間だからこそ、いいところも悪いところも認めてあげて欲しいんです。
活かし方を見つけてあげて欲しいんです。
自分を蔑ろにして否定しながら鞭を打ち続けることのしんどさはよくわかります。
私自身がそうだったから、本当によくわかります。
経験者として。
考え方から行動を少しずつ見直して。
ようやくラクになれたからこそ、今がしんどい人には伝えたいんですよ。
正解以外が許されないのか?
もう一つ「自己否定」についてお話します。
こんな言葉を使って自己否定をしたことはありませんか?
- 「〜であるべき」
- 「〜でなければならない」
- 「〜できないのは自分が悪い」
- 「自分のせいで〜(という結果に)ならない」
全部「正解以外は許さない」という考え方を基にした言い回しです。
では質問です。
「人生に正解以外は許されませんか?」
許される結果や筋道は一つだけでしょうか?
間違えたら即終了でしょうか?
確かに間違いの大きさによっては一発アウトのものもあります。
しかし、大体のものごとは「完璧」である方が少ないものです。
誰でも一つや二つ失敗をします。
正解だけを積み重ねてきたわけではありません。
街中で周りを見てください。
周りの全員が「正解だけ」でできているでしょうか?
間違えても人は生きていけます。
全てのものごとで「あるべき正解」を追いかけなくても人は生きていけるんです。
今、苦しんでいる「自己否定」もよくよく見るとみんなもやっているようなありふれたことによるものかもしれません。
まとめ
- 強みと弱みは環境で決まる
- 強みを生かして弱みは使わない環境を選ぶ
- 一生付き合うからこそ自分を肯定してあげる
- 世の中の人は間違ってきている
今回の内容は少し重い話かな、と感じました。
途中、感情先行で自分語り感もあります。
それでも。
もしも自分が無価値で間違っている、と苦しむ人がいるのなら伝えたかったことだったんです。
私は苦しかったから。
考え方が変わるまで、どうしようもなく、繰り返すしかなかったから。
今ではそれなりに楽しく生きてます。
当時を懐かしめる程度には回復もしました。
もしもこの記事が誰かの助けになれば嬉しいなーと思います。
では、また次回