コミュニケーションに不安を感じたことはありませんか?
例えば、相手に嫌われないかと不安になったり。
例えば、自分がこんなことを言ったら調子に乗っていると思われるのではないかと感じたり。
不安を感じながらするコミュニケーションはしんどいですよね。
今回の記事は「コミュニケーションの不安対策」をテーマにしていきます。
内容は社会心理学の名著「影響力の武器」からコミュニケーションで感じる不安の正体を見つけていくというものです。
人は「正体がわからないもの」を恐れます。
そして正体がわからないものには対策のしようもありません。
と、言うわけでまずは「コミュニケーションに対する不安の正体」をはっきりさせて対策をしていこう、という趣旨です。
※注意
今回の記事の内容は「影響力の武器」に自分なりの解釈を多分に加えたものになります。
一応、「影響力の武器」の内容を使いますが他の本からの情報や自分が実践してみた内容もかなり混ぜ込んでいますのでご注意ください。
Contents
影響力の武器って何?
アメリカを代表する社会心理学者のロバート・B・チャルディーニの著作で社会心理学の名著とされている本です。
内容を一言でまとめると「何故、人は影響されるのか?」について書かれた本です。
人間に強く影響を与える要素は大きく6つあります。
6つの影響力の武器
- 返報性
- 一貫性
- 社会的証明
- 好意
- 権威
- 希少性
詳しくは本で読んでみることをおすすめします。
YouTubeに本書のまとめ動画もあったりしますが個人的には本で読んだ方が身になるかと思います。
↓一応、「影響力の武器」について取り上げている方Youtube 貼り付けておきます。
【サラタメさん】様
【本要約チャンネル 】様
ちなみに元々は「騙されないように」がテーマの本です。
知らず知らずに承諾へと誘導されて損しないように「影響を受けてしまう場面を知って注意しようね」という目的で書かれています。
6つの影響力を更にまとめる
強い影響力をもたらす要素が6つある、と述べました。
この6つの要素は影響力の根幹から大きく2つに分けることができます。
- コスト削減のためのもの
- 人間の社会性によるもの
今回「コミュニケーションで感じる不安の正体」を考えていくために重要なのは2つめ。
「人間は社会性によって大きく影響を受けてしまう」という点です。
人は社会性の生き物
6つの影響力の中で次の3つの根幹になっているのが「人間の社会性」です。
- 返報性
- 一貫性
- 好意
人間は集団を作って生き延びてきた社会性の強い生き物です。
なので、本能レベルで「集団に適した行動を取ろう」という性質と「集団に害なす者を嫌う」という性質があります。
そして「集団に害なしそうな行動は控えようとする」という性質もあります。
集団に害なす人物は集団を敵に回します。
集団で生き残ってきた人間にとって集団を敵に回すことは大きなリスクになるので、本能レベルで集団を敵に回さないようにできています。
→他人を気にし過ぎる不安の一因
コミュニケーションに対する不安の正体の一つが「集団を敵に回すリスク」です。
上手く話せない、コミュニケーションが苦手と感じる理由を考えたことはありますか?
- 「相手から変な奴と思われたらどうしよう」
- 「空気が読めない奴と思われるかもしれない」
- 「礼儀がなってないと思われるかも」
- 「嫌われたらどうしよう」
掘り下げていくと多くの場合「社会や集団から受け入れられないこと」に対して不安を感じてコミュニケーションが上手くできなくなっています。
人間は社会性を基礎にしている生き物だからこそ、他人の目が気になってしまうんです。
そして、下手なコミュニケーションで集団を敵に回すよりも黙っている、という選択をすり人も出てきます。
一方では「黙っていても相手から嫌われる」ということも感じています。
結局、「話しても黙っても不安」というしんどい状態になってしまいます。
コミュニケーションを楽にするポイント
多くの場合、コミュニケーションに対する不安の正体は「社会や集団から受け入れられないことへの不安」です。
集団から受け入れられない
=集団を敵に回して、生き抜くことが不利になる。
ということを恐れているのです。
なので、不安対策になる行動は大きく3つに分類できます。
- 相手が本当に敵になるのかを考える。
- 嫌われて支障がある相手かを見極める。
- 敵を作らないコミュニケーションを身につける
不安対策の例としていくつか紹介します。
「本当に敵をつくるのか」をよく考えてみる
そもそものお話として「相手が自分の敵になる」という「自分の心配」はどれくらい実現するものでしょうか?
「こんなことを言うと嫌われる」というのはあくまでも主観のお話です。
思い込みや自分の性格によって客観的な事実からズレて認識していることもよくあります。
「相手から嫌われること」にしんどさを抱えていても「本当に相手から嫌われる状態にあるのか?」は一度で考えてみる価値のあるポイントです。
「嫌われて害があるのか」を考える
「相手から嫌われる」「集団を敵に回す」ことに不安を感じる理由は「生きることに対して不利に働くから」です。
裏を返せば「嫌われても支障がない相手」には嫌われても問題ありません。
例えば誰の目にも理不尽で正当性のない迷惑クレーマーから嫌われたところで人生に影響するような損があるでしょうか?
きっと周りの人からも「絡まれて災難だったな」と慰められるだけで何の損もないでしょう。
誰からも好かれる必要というものはありません。
嫌われても害がない相手には嫌われても良いのです。
嫌われづらいコミュニケーションを用意しておく
コミュニケーションが苦手でしんどい、というのであればテンプレートとして「嫌われづらいコミュニケーション」を用意しておくことも有効な手段です。
「とりあえず最低限のコミュニケーションが取れる」という感覚があると精神的なしんどさはかなり和らぎます。
まとめ
- 社会性で生き延びてきたからこそ、人はコミュニケーションに不安を感じやすい。
- 不安の根本は「集団から孤立して生き延びられなくなる」リスク
不安への対処法3選
→本当に嫌われる状況なのかを見極める
→嫌われたら困る相手なのかを見極める
→いざという時のテンプレートを用意する
要するに
「本当に不安になるべき場面なのか」をきちんと検討する。
「不安を感じたとしても頼れる方法」を持っている。
ことがコミュニケーションの不安対策としては有効、というのがこの記事のまとめです。
不安を感じること自体は悪いことではありません。
危機察知ができなければ生き抜くことはできません。
そして、あれこれ対策をするのはあくまでも「自分のため」です。
社会の理不尽に合わせるためではありません。
しんどいと感じながら苦しむよりも。
どうせなら、楽しく朗らかに人生を楽しみたいじゃないですか。
人が社会を形成して生きている間はコミュニケーションの悩みを完全に消し去ることはできません。
しかし、捉え方と対処次第でしんどさを和らげることはできます。
今回の記事がコミュニケーションを「しんどい」と感じる人の役に立てばいいなー、と思います。
では、また次回!